日本生態学会誌
Online ISSN : 2424-127X
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59 巻 , 2 号
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原著
  • 田口 勇輝
    原稿種別: 本文
    59 巻 (2009) 2 号 p. 117-128
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    移動性の両生類(大部分のカエル類と、トラフサンショウウオ科・サンショウウオ科・イモリ科のサンショウウオ類)が繁殖のため陸上から水中に移動するように、流水域に棲息する両生類が流水域内で繁殖移動を行うかどうかは知られていない。そこで本研究は、流水に棲む両生類オオサンショウウオの繁殖移動の可能性を、個体群の季節的な移動特性と、移動に影響を与える要因の解析によって明らかにすることを目的とした。兵庫県篠山市の羽束川で標識再捕獲法により本種を200個体識別し、1年以上の調査を行った。一般化加法モデルによる解析から、4変数(時期・再捕間隔・放逐地点・全長)のうち、時期だけが移動距離に影響していることがわかった。季節的な移動特性を、繁殖期の前・後および非繁殖期で比較すると、本種は平均して繁殖期前に約200m遡上し、繁殖期後に約200m降下することが分かった。それらは、多数の短距離移動と少数の長距離移動で構成され、最長移動距離は3,969mの遡上であった。繁殖期前の遡上は、8月下旬から9月上旬の産卵に関係していることが示唆された。又、冬季から春季にあたる非繁殖期では、本種はほとんど同じ所に留まっていた。以上から、本研究で示した季節的な移動は、流水に棲む両生類オオサンショウウオの繁殖移動を示唆するものと考えられる。
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特集1 生物学的侵入の分子生態学
  • 西川 潮, 米倉 竜次
    原稿種別: 本文
    59 巻 (2009) 2 号 p. 129-130
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
  • 河村 功一, 片山 雅人, 三宅 琢也, 大前 吉広, 原田 泰志, 加納 義彦, 井口 恵一朗
    原稿種別: 本文
    59 巻 (2009) 2 号 p. 131-143
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    近縁外来種と在来種の交雑は外来種問題の一つであるだけでなく、希少種問題の一つでもある。この問題は決して異種間に限られたものではなく、在来個体群の絶滅という観点から見れば、近縁種から同種の地域個体群にまで渡る幅広い分類学的カテゴリーに該当するものである。近縁外来種と在来種の交雑は遺伝子浸透の程度と在来種の絶滅の有無により、I)遺伝子浸透を伴わない在来種の絶滅、II)遺伝子浸透はあるものの在来種は存続、III)遺伝子浸透により在来種は絶滅の3つに分類される。この中で在来種の絶滅を生じるのはIとIIIの交雑であるが、いずれも交雑の方向性の存在が重要視されている。本稿ではタイリクバラタナゴとニッポンバラタナゴの交雑を材料に、IIIの交雑における在来亜種の絶滅と遺伝子浸透のメカニズムについて調べた研究を紹介する。野外調査と飼育実験により、交雑による個体群の遺伝的特徴の変化、配偶行動における交雑の方向性の有無、遺伝子型の違いによる適応度の違いの3点について調べたところ、1)交雑個体の適応度は在来亜種より高いが雑種強勢は存在しない、2)繁殖行動において亜種間である程度の交配前隔離が存在、3)在来亜種の絶滅は交雑だけでなく、適応度において交雑個体と外来亜種に劣る事により生じる、4)遺伝子浸透は在来亜種の絶滅後も継続する、の4点が明らかとなった。これらの事から外来亜種の侵入による在来亜種の絶滅は、外来亜種の繁殖率の高さに加え、交雑個体における妊性の存在と適応度の高さが主な要因である事がわかった。ここで特記すべき点として、交雑の方向性の決定様式と遺伝子浸透の持続性が挙げられる。すなわち、バラタナゴ2亜種における交雑は個体数の偏りによる外来亜種における同系交配の障害により生じるが、交雑の方向性は従来言われてきた様な亜種間での雌雄の交配頻度の違いではなく、雑種と外来亜種の間の戻し交雑により生じ、この戻し交雑が遺伝子浸透を持続させる可能性が高い事である。今後の課題としては、野外個体群におけるミトコンドリアDNAの完全な置換といった遺伝子間での浸透様式の違いの解明が挙げられる。この問題の解明に当たっては進化モデルをベースとしたシミュレーションと飼育実験により、ゲノムレベルで適応度が遺伝子浸透に与える影響を考察する必要がある。
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  • 川井 浩史, 上井 進也, 羽生田 岳昭, 中村 規代典, 蔦田 智, Judie Broom, Wendy Nelson, Frederi ...
    原稿種別: 本文
    59 巻 (2009) 2 号 p. 145-152
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    海運などによる大陸間移入が問題となっている大型海藻ワカメ、アオサ類を対象に、日本を含む東アジア、オセアニア、北米太平洋沿岸などの集団を中心に遺伝的多様性の解析を行い、その起源と動態につき考察した。その結果、代表的な食用海藻であるワカメ(褐藻コンブ目)は、ミトコンドリアcox3+tatC-tLeu遺伝子を用いたハプロタイプ解析から、原産地北東アジアの集団は大きく1)大陸タイプ;2)北日本タイプ;3)本州太平洋岸タイプ;4)日本海タイプの4つの系統群に区分され、これらとの比較に基づき欧州、北米、オセアニア、南米などの海外移入集団の起源を推定した。またニュージーランドについては古い乾燥標本の解析を含む、より詳細な比較を行った結果、侵入後現在までに優占集団が変化してきた経過が明らかになった。一方、港湾を含む浅い沿岸域の代表的な海藻であるアオサ類(緑藻アオサ目)について、三河湾と大阪湾において優占する個体群を対象に核rDNA ITS領域による分類を行った。その結果、これらの海域では優占集団が季節的に変化していることや、これまで日本で報告されていない種が定着・繁茂していることが確認された。
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  • 米倉 竜次, 河村 功一, 西川 潮
    原稿種別: 本文
    59 巻 (2009) 2 号 p. 153-158
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    外来種の小進化に関する研究は分子遺伝レベルでの解析と表現型レベルでの解析を中心に発展してきた。しかし、分子遺伝マーカーでみられる遺伝変異はおもに遺伝的浮動による影響のみを反映しているのに対し、表現型レベルでの変異には遺伝的浮動に加え自然選択による影響も大きく関与していると考えられる。したがって、分子遺伝レベル、もしくは、表現型レベルのみの解析では、定着成功や侵略性に影響する外来種の性質が遺伝的浮動により影響されているのか、もしくは、自然選択により影響されるのかを区別することは難しい。しかし、外来種の表現型の小進化に対して遺伝的浮動と自然選択のどちらが相対的に重要であるのかを把握しなければ、導入された局所環境への外来種の定着成功や侵略性が小進化によりどう変化(増加、それとも減少)するのかを議論することは困難であろう。この総説では、この問題を解決する方法としてF_<ST>-Q_<ST>法を概観するとともに、外来種の管理対策へのその適用についても考えた。
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  • 小泉 逸郎
    原稿種別: 本文
    59 巻 (2009) 2 号 p. 159-160
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
  • 西川 潮, 米倉 竜次, 岩崎 敬二, 西田 睦, 河村 功一, 川井 浩史
    原稿種別: 本文
    59 巻 (2009) 2 号 p. 161-166
    公開日: 2017/04/20
    ジャーナル フリー
    分子遺伝マーカーに基づく集団遺伝解析は、外来生物の起源推定、分散様式の解明、さらには遺伝的多様性の評価において有効である。また、外部形態だけで判定不能な隠蔽種の探索、侵入回数の推定、ならびに在来種との交雑の有無や遺伝子浸透の程度の把握が可能となる。これらの知見は、外来生物のリスク評価のみならず管理(生態系管理)に活用することも可能と思われる。一般に、外来生物の管理は、意図的導入の抑制、新たな侵入や分布拡大の防止などの「予防策」と定着した外来生物を間引いたり根絶したりするための「駆除策」の2つに分けられる。外来生物の起源や拡散様式、遺伝的多様性などの情報は、予防策を立案する上で有用な情報を提供すると考えられる。しかし、当面の大きな課題は、これらの学術的知見を直に反映させることができる外来生物管理体制を産・官・学やNPOが一体となって早急に作り上げることができるかどうかである。一方、駆除策への適用可能性としては、これまでに希少種の保全遺伝学的研究で得られた知見に基づき、隔離性の高い小集団を駆除単位として策定するとともに、駆除の効果を遺伝的ボトルネックの有無から判定する方法が有効であると考えられる。
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特集2 始めよう!ベイズ推定によるデータ解析
連載1 野外研究サイトから(12)
連載2 博物館と生態学(10)
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