日本生態学会誌
Online ISSN : 2424-127X
Print ISSN : 0021-5007
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60 巻 , 3 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
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宮地賞受賞者総説
特集 我々は「生態リスク」とどう向き合うのか?
  • 森 章, 三村 真紀子, 黒川 紘子
    原稿種別: 本文
    60 巻 (2010) 3 号 p. 323-325
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー
  • 林 岳彦, 岩崎 雄一, 藤井 芳一
    原稿種別: 本文
    60 巻 (2010) 3 号 p. 327-336
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー
    欧米では「ecological risk assessment」という用語は「化学物質の生態リスク評価」のことを指すことが多い。その理由は、歴史的に「生態リスク」という概念が元々「化学物質のリスク評価」の中から誕生し発展してきたことにある。本稿ではまず前半において、「生態リスク」という概念が生まれてきた歴史的な経緯についての概説を行う。また、その歴史的な経緯から「生態リスク」という概念が帯びている「行政の意思決定に寄与する」「不確実性の存在を前提とする」「人間活動との兼ね合いを調整する過程の一端を担う」という特徴的なニュアンスについての説明を行う。本稿の後半においては、現在実務レベルで行われている「初期リスク評価」および「詳細リスク評価」の解説を行う。さらに、生態リスク評価における現状の取り組みと課題について「生態学的に妥当なリスク評価・管理へ」「漏れのないリスク評価・管理へ」「総合的なリスク評価・管理へ」という3つの観点から整理を試みる。
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  • 森 章
    原稿種別: 本文
    60 巻 (2010) 3 号 p. 337-348
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー
    近年、人為影響により、生態系のレジームシフトが起こっていることが指摘されている。これは、人間活動が生態系の持つレジリアンスを侵食し、生態系が本来持つ自己修復機能を低下、あるいは崩壊させていることによる。その結果として、生態系サービスが劣化、あるいは変化し、人間社会への悪影響も危惧されている。生態系のレジリアンス低下の要因は、環境汚染、搾取・伐採、気候の変化、撹乱体制の変化など、非常に多岐にわたる。いずれも生態系の脆弱化を招き、生態系が以前は吸収できた負荷が今は吸収できない状態になっていること、その結果、生物にとっても人間社会にとっても望ましくない状態へと生態系がレジームシフトを起こしていること、が指摘されている。本稿では、このような生態系のレジームシフトを引き起こすリスクや、その結果、生態系サービスを劣化させるリスクに着目し、生態系管理におけるリスクマネジメントについて言及している。本稿では、特に、生態系の本質的な変動性や非平衡性をどのように扱うのかを重要と考える。そのためには、「順応的管理」、「自然変動性」、「時空間スケール」、「人為影響の評価」が、生態系のリスクマネジメントにおける留意点として挙げられる。具体的には、1)個々の生態系がシフトを起こさずに済んだ環境変動量からレジリアンスを定量化できる可能性があること、2)実験・観測・モデリング・メタ解析・古生態学的手法などにより個々の生態系の構成や構造の自然変動性に関するデータを得る必要があること、3)焦点を当てるべき特性や環境要因、時空間スケールには、留意する必要があること、4)時空間的に限られた既知の情報を、実際の生態系が存在するより広いスケールへと反映させる際に必要な留意点を明確化すること、が科学的アプローチにおいて重要であると考える。生態系の動的なプロセスを尊重しつつ、生態系のリスクマネジメントを行うためには積極的な生態系の復元試験、積極的な保全策の適用、科学者間あるいは科学-社会間での積極的な議論、既知の知見の自然-人間システムへの応用、既存の情報を活用したシミュレーションモデル、生態系の継続的な観測、そして、順応的な管理姿勢が、今後さらに求められる。
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  • 津田 吉晃
    原稿種別: 本文
    60 巻 (2010) 3 号 p. 349-359
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー
    森林伐採、過度の開発、大気汚染や気候変動などの人間活動により世界中で森林の生物多様性が脅かされており、近年、生物多様性の基盤となる遺伝的多様性の保全の必要性が広く認識されるようになった。長い寿命・世代時間、高い集団内の遺伝的多様性、花粉および種子を介した高い遺伝子流動能といった樹木固有の特徴により、環境変化による樹木集団の遺伝的多様性への影響は小さいという指摘がある。これは樹木の遺伝的多様性保全における生態リスクの影響は小さいことを意味するかも知れない。しかしこの仮説に当てはまらない事例も多い。そこで本稿では1)森林の分断化、2)地球温暖化による分布シフト、3)樹木の種苗移動・保全単位に着目し、各項目について森林樹木およびそれを取り巻く生態系へのリスクについて、保全遺伝学の視点から最近の事例研究を紹介しながら概観したい。
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  • 香坂 玲
    原稿種別: 本文
    60 巻 (2010) 3 号 p. 361-367
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー
    近年、企業活動における生物多様性との関わりのなかで、「リスク」という用語がキーワードとなりつつある。生態リスクは、健康や開発といった領域ごとに、生態毒性学や保全生態学などから派生する形で議論されてきた。本稿では、「リスク・コミュニケーションと企業活動」に関連する文献のレビューを行ない、論点を提示する。まず、養殖、鉱業、遺伝子組換え体(Living Modified Organism;以下LMOs)など操業領域ごとの議論を概観し、その操業領域ごとの議論から、企業活動とリスク・コミュニケーションの方法論やプロセスについての議論にまで敷衍する。リスクを巡る議論とその評価は、科学者主導のものではあるが、科学者、企業、地域住民にとって極めて倫理的な側面も含まれていることを、レビューを通じて提示する。次に具体事例として経団連のアンケート調査結果について報告を行なう。全体を通じてリスクに関わる概念の整理を行なった上で、生態学の立場から企業活動に対してどのように提言を行なっていくことが効果的なのか、実践的な課題である科学-政策インターフェースを視野に入れて、論点の整理を行なう。
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  • 田中 貴宏
    原稿種別: 本文
    60 巻 (2010) 3 号 p. 369-376
    公開日: 2017/04/21
    ジャーナル フリー
    従来、都市計画分野では、意思決定に際してプランナーと呼ばれる人々の主観に頼ることが多かった。しかし、環境配慮が求められる昨今、科学的知見をより積極的に活用することが求められており、そのため生態学との連携が期待されている。そこで、本稿では「生態リスク」を「都市の生態系サービスの劣化にともない、人間が不利益を被るリスク」と定義し、その言葉をカギにしながら、生態学と連携した都市計画のあり方について検討を行った。都市の緑地には様々な生態系サービスがあり、それらに関する個別研究は進められているものの、1)生態系サービスを総合的に扱うための手法の確立、2)都市の生態リスクを測る指標の確立、3)都市の計画・管理主体への支援情報の整備と、その情報提供、4)モニタリングの仕組みの整備、5)都市の生態系サービスに対する認識の共有、6)人口減少社会における都市緑地の計画・管理手法の確立といったことが今後の課題として挙げられ、それらの解決のために都市計画と生態学の連携、役割分担の明確化が必要である。
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学術情報
連載1 野外研究サイトから(16)
連載2 博物館と生態学(14)
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