日本生態学会誌
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64 巻 , 1 号
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特集1 ハナバチと訪花性双翅目の多様性研究の現状と課題
  • 鈴木 まほろ, 石井 博, 安部 哲人
    原稿種別: 本文
    64 巻 (2014) 1 号 p. 3-6
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
    ミツバチ属・マルハナバチ属などの真社会性ハナバチには、これまで多くの研究者の関心が注がれてきたが、これらは多様な訪花昆虫のうちのごく一部分に過ぎない。本特集における新庄らの論文では、地球上の様々な地域で行われた28の訪花昆虫群集研究のデータをレビューし、気候帯および植生タイプと訪花昆虫群集との対応を調べた。その結果、群集の組成は気候帯や植生タイプと一定の対応を示し、特に北極ツンドラや高山帯における双翅目の優占が顕著であった。また温帯では単独性ハナバチの割合が高かった。送粉者の衰退が大きな社会問題として国際的に議論されている現在、特に送粉という生態系機能の点で重要と考えられる単独性ハナバチと双翅目昆虫について、その多様性と機能に関する基礎研究の必要性が高まっている。安部の論文では、特にハナバチについて、送粉者の多様性と送粉機能、さらに人為的撹乱による送粉者衰退の問題をレビューし、外来種の影響を中心に議論した。今後、多様な訪花昆虫の生態系機能について研究する上で、インベントリーをはじめとする基礎的な分類学・生態学的情報は必要不可欠である。多田内らの論文では、日本のハナバチと双翅目昆虫のインベントリーの現状を振り返り、今後の課題を整理した。我が国においては、送粉者衰退問題について議論するにも、基礎データとなる過去の標本や観察情報の蓄積が少なく、それらを共有するためのプラットフォームもほとんど存在しない。今後はそれぞれの分類群について、基礎研究の蓄積量に応じた、積極的かつ組織的な情報の集積と共有が図られることを期待したい。
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  • 新庄 康平, 辻本 翔平, 石井 博
    原稿種別: 本文
    64 巻 (2014) 1 号 p. 7-15
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
    28の研究から得た、32地域の訪花動物群集のデータをもとに、群集の属する気候区分や植生タイプによって、訪花動物群集の組成を特徴づけることができるかどうかを検討した。その結果、個体数と種数について、訪花動物の主要4目(膜翅目、双翅目、鱗翅目、鞘翅目)の割合、および膜翅目と双翅目の組成は、群集が属する気候区分や植生タイプと一定の対応を示した。具体的には、ツンドラ/高山帯では双翅目の割合が多く、熱帯では双翅目の割合が少ない傾向がみられた。膜翅目では、寒冷な地域ほどマルハナバチ属の割合が多く、温暖な地域はミツバチ属とその他のハナバチ上科の割合が多かった。これまで、ミツバチやマルハナバチなどの真社会性ハナバチは、最も重要な役割を持つ送粉動物として、非常に多くの研究がなされてきたが、真社会性のミツバチ科が訪花動物群集の個体数に占める割合は、平均して16.5%(0.5-73.6%、中央値=9.6%)にすぎなかった。一方双翅目では、湿地でハナアブの割合が高い傾向があった。幾つかの調査地域はこれらの傾向から逸脱していたが、その理由として、外来種の影響や地域固有の地史的な背景が伺えた。訪花動物群集は、地域の植物群集の発達と深い関係にあると考えられる。従って、植物群集が成立する仕組みを理解するうえでは、気候や植生、地史学的な背景などが、訪花動物群集の形成にどのように関わっているのかを把握するとともに、多種多様な訪花動物の生態的機能を研究していくことが望まれる。
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  • 安部 哲人
    原稿種別: 本文
    64 巻 (2014) 1 号 p. 17-25
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
    生物多様性の喪失に伴う生態系機能への影響は生態学の主要な研究課題である。送粉も生態系機能の一つであり人類はその恩恵を受けているが、世界各地で人為的撹乱による送粉系の衰退が報告されている。このため、送粉者の多様性と生態系機能の関連、及びそれらの撹乱による影響を調べる研究も盛んに行われている。本稿では、まずハナバチを中心に送粉者の多様性とその機能について概観し、次いで、小笠原諸島の送粉系を例に交えながら送粉系衰退の現状と、それによる機能やサービスへの影響について知見の現状を紹介する。
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  • 多田内 修, 大石 久志, 鈴木 まほろ
    原稿種別: 本文
    64 巻 (2014) 1 号 p. 27-35
    公開日: 2017/05/19
    ジャーナル フリー
    最も主要な送粉昆虫であるハナバチ類と訪花性双翅目について、それぞれの分類群の概要と送粉者としての重要性、日本におけるインベントリーの現状と課題を整理した。現在、日本産ハナバチ類の分類は総括的段階にあり、日本産全種を含む『日本産ハナバチ類図鑑』の出版が間近であるほか、アジア産ハナバチ類データベースの構築と公開も進行中である。これまで一般研究者にとって一部の分類群を除くハナバチ類の同定は困難であったが、これらによってかなりの程度まで同定が可能になり、生態学的研究が飛躍的に進むことが期待される。一方、訪花性双翅目は従来その送粉者としての重要性が軽視されてきたため、分類およびインベントリー作成は世界的にも遅れているが、送粉者の多様性に注目が集まっている昨今では、その必要性がますます高まっている。こうした中、日本ではハナアブ科やクロバエ科など一部の分類群についてはインベントリーの作成が徐々に進み、一般研究者でもある程度までは同定が可能になってきた。双翅目昆虫の送粉機能は温帯地域においても決して小さくはなく、今後は日本でも組織的なインベントリー整備を積極的に推進する必要がある。
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特集2 白亜紀末の大量絶滅事変に残る謎
学術情報
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