日本生態学会誌
Online ISSN : 2424-127X
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早期公開論文
早期公開論文の3件中1~3を表示しています
  • 田辺 慎一
    論文ID: 2503
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/09/11
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    本稿は、従来の生態教育に次の2つの次元を組み込んだ新たな生態教育の定義、および「生態教育フレームワーク」として、①人間(社会・経済)と環境(自然)の関係、②生態学的知識の理解や自然体験といったINPUT型教育に加え、その知識・経験を社会で実践し解決につなげるOUTPUT型教育を提案する。本稿の目的は、この定義とフレームワークに基づき、自然・アウトドア系の専門学校における実践事例を提示することを通して、生態教育の実践的な意義と今後の可能性について探究することである。筆者が教員を務める国際自然環境アウトドア専門学校(新潟県妙高市)では、アウトドア分野に特化し、多様な野外フィールドでのフィールドワークを重視した教育を行っている。本稿では、社会課題解決型のコンサルティング事業、企業課題解決型のコンサルティング事業、社会課題解決型の学生研修事業の3つのOUTPUT型実践を紹介する。また、当校の教育実践の理論基盤をなす自然を活かした知識創造モデルを紹介し、社会課題解決型のコンサルティング事業の文脈で具体的に解説する。本稿で提示した生態教育フレームワークと自然を活かした知識創造モデルは、これまで当連載で扱われてきた生態教育を整理し、生態教育の未来を検討する汎用的な枠組みとなり得る。

  • 佐藤 光彦, 磯部 祥子
    論文ID: 2511
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/09/11
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    倍数化は種分化や適応進化などの進化生態学的現象を駆動する要因であるとともに、多くの農作物が栽培化される過程での有用形質の獲得にも関与してきたと考えられている。この倍数化はどの分類群でも確率的に生じうる現象であるが、とりわけ自殖によって交配相手がいなくとも個体数を増やせる植物で特に維持されやすく、その結果、四倍体を超える「高次倍数体」と呼ばれる極めて複雑な染色体構造を持つ種も存在する。これらの複雑な倍数性の進化生態学的な機能について理解するために、ゲノム情報の解読と染色体構造の構築が重要である。特に2000年代以降に登場し、その後目覚ましい進歩を遂げた大規模並列シーケンサー技術は、倍数体のゲノム解析に大きく貢献してきた。近年ではロングリードシーケンサーによって高品質なコンティグの構築が可能となり、得られたコンティグの順番や向きを正しく繋ぎ合わせることで、染色体数と一致させた染色体レベルでのゲノムアセンブリも現実的なものとなった。末端のテロメアから反対側のテロメアまでの全長を決定する、T2T (Telomere-to-Telomere)レベルまで到達する研究も現れ始めている。本総説では、2020年以降に新たに発売されたシーケンサーの特徴とトレンドを中心に、倍数体ゲノム解読がどのように進展しているかを概説する。さらに筆者らが取り組んでいる高次倍数体植物のゲノム解読の状況とその展望、そして限界について論じる。

  • 中田 兼介
    論文ID: 2514
    発行日: 2026年
    [早期公開] 公開日: 2026/09/11
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    生態学教育専門委員会は、日本生態学会第70回全国大会(2023年3月開催)と第71回大会(2024年3月開催)において、学修者本位の教育という観点から、生態学教育を受けた後にアカデミズムの外の世界に進み、活躍されている方々から話を伺う2回シリーズのフォーラムを、いずれもオンラインで開催した。本稿は、そのフォーラムの内容を報告する。一般企業に勤務している2人の他、マスコミや国際NGO、地方自治体に勤務されている方々に加えて、就農された方、起業された方、高校教員や地方議会議員を務められている方々など、合計9人の話をまとめた。多くの方の話題に共通していたのが、大学院時代に身につけた、物事の考え方やコミュニケーションの方法といった能力(いわゆるポータブルスキル)が仕事に役に立っているという点だった。一方、生態学の専門的な知識(テクニカルスキル)については、役に立っているという方と、必ずしもそうでない方に分かれていた。また、修士課程を修了した方からは、生態学の社会的役割についてもっと目を向けることが必要だという意見が出された。これに対して、博士課程まで進んだ方の中には、大学院時代に社会との繋がりを考えたことが、その後のキャリアに影響していると話された方が複数おり、対照的であった。

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