酵素洗浄においては洗浄液中に存在する金属イオンはたん白質汚れの除去率に大きな影響をおよぼす場合が多く認められた.
一般に洗浄効果を促進するMg, Ca, Sr, Baなどの第2族a元素のアルカリ土類金属イオンはenzyme activatorとして作用し, 一方たん白質汚れの水に対する溶解度も増大する性質を有していることが認められた.しかしその他の金属イオンは逆にenzyme inactivatorとして作用するものも多く, 特にCu, Ag, Hgなどの重金属イオンではその傾向が著しくあらわれ, 洗浄効果を大きく低下させることが認められた.
また血液汚染布の洗浄においては他のたん白質汚染布と異なり, enzyme inhibitorとしてのFe (III) などの金属イオンがかなり多く含まれるので, 酵素作用に対して特異的な挙動を示すことが認められた.
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