家庭用繊維製品のほとんどの品種は, 実用中に洗たくされるものであるが, その耐用期間を通じて何回ぐらい洗たくされるものであるかについて詳しい調査がなされていないようである.そこで, 主として阪神間の在住者について, 昭和43年現在の消費実態を調査した.その結果, 耐用洗たく回数は耐用使用日数の多いものでは少なく, 耐用使用日数の少ないものでは多いという一般的傾向が認められた.この事実は, 耐用使用日数が洗たくによって決定される場合の多いことを示唆している.また, 耐用洗たく回数は一般に, 数回以上100回程度におよぶ範囲のものが多いから, 染色堅ろう度やSR加工, 防水加工等の品質試験で行なわれているような1回または数回程度の洗たく試験結果が, 消費者の実用結果と一致するとは考えられない.
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