人工汚染布を作製するための汚染浴の分散媒として, 毒性の強い四塩化炭素に代え, メチルクロロホルムを用いて作製した人工汚染布について, その洗浄力試験における性能を検討した.
洗浄剤の種類, 洗浄剤の使用濃度, 洗浄時間, 洗浄液温, 浴比などの諸要因が洗浄効果に及ぼす影響に関しての洗浄力試験において, メチルクロロホルム分散媒中で作製した人工汚染布を用いても, 従来の四塩化炭素分散媒中で作製したものを用いた場合と異ならない成績が得られた.また, 作製後の保存が洗浄力試験成績に及ぼす影響においても, 両汚染布での差は認あられなかった.
前報ならびに上記の成績から, 人工汚染布を作製するための汚染浴の分散媒として, 衛生的見地よりメチルクロロホルムは推奨に値するものと考える.
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