色彩の嗜好特性のうち, 主として嗜好色の連続性について検討し, つぎの結果を得た.
1) 被験者全体についての連続性について検討した結果, 重回帰式を用い検討した場合も, スピアマンの順位相関係数を用いて検討した場合も, ともに連続性が大であり, 1番目に好きな色, 2番目に好きな色, 3番目に好きな色はよく似ており, また1番目に嫌いな色, 2番目に嫌いな色, 3番目に嫌いな色もよく似ている.そして好きな色も嫌いな色も, 1番目に嗜好する色と2番目に嗜好する色とは, とくによく似ている.
2) タイプ別についての連続性について, スピアマンの順位相関係数を求めて検討した結果, 連続性はタイプの属性のうち, 情緒安定性に関係があるのではないかと考えられる.すなわち, 情緒が安定している人は連続性が大きく, 情緒不安定な人は連続性が小さい.
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