着用―洗たくを繰り返す衣料の消費の過程において白度を維持してゆくための対策法を考えてゆくことを目的として, 白度低下をひき起こすと考えられるいろいろな原因のうち, 今回は再汚染をとりあげ検討を加えた.
実際の家庭洗たくにおける再汚染の実態を調べ, またモデル汚れを用いた試験によって諸条件 (繊維や汚れの種類, 汚れ量, 洗たく条件) が再汚染におよぼす影響について検討した.その結果, 実際の家庭洗たくでは再汚染現象が認められるが, その度合は各家庭によって異なり, また, いずれの家庭でも綿の再汚染率は高い傾向がみられた.この現象をモデル試験の結果から解析し, 各家庭の汚れ量や洗たく条件の違いが各家庭による再汚染性の差を生じさせ, またどう等の固体汚れは再汚染に大きな影響を及ぼす汚垢の一つであることが推察された.これをもとに家庭洗たくにおける再汚染防止の方法を考察した.
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