洗たくによるシームパッカリングの発生機構について検討するための基礎的知見をうる目的で, 綿カタン糸に荷重をかけて水に浸したときの挙動をしらべた.
(1) 水に浸すと荷重にくらべて, ロービキ糸は張力が著しく増大, フツウ糸では小荷重の場合以外は減少する.
(2) (1) の張力は, そのまま水から出して乾燥すると著しく減少し, 多くは荷重の値以下となるが, ロービキ糸で荷重が小である場合は荷重以上の張力が残る.
(3) 乾燥してから縮みを許すと, 荷重による伸びを回復しさらに縮む.これは荷重が小であるフツウ糸の場合に著しい.
(4) 浸水後張力が一定になってから, 水中及び空気中で続いて収縮を許した場合の全収縮量は, あまり差がない.これらの結果から発生機構を考えてみた.
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