1.でん粉 (小麦でん粉) 糊及び蛋白質 (乳製カゼイン) 糊で糊付した木棉布を油化学協会洗浄委員会法によって汚染し, 洗浄液に各々でん粉分解酵素, 蛋白質分解酵素の各量を加え, 標準洗たく法によって洗浄効率を比較し酵素添加の効果をしらべた.
2.でん粉糊付の場合温度50℃, PH6.0りん酸緩衝剤使用, 時間30分, 酵素量0~8U/c.c.洗剤2g/lに於て
a) 酵素のみを加えたものは若干の効率向上はみとめられるがそれは微弱である.酵素添加量を多くしても効率は向上せぬ.
b) 酵素―石けん併用のものは酵素添加により著しい効率向上をみとめる.酵素添加量を多くしても効率は其以上向上せぬ.酵素量は2U/c.c.で充分である.
c) 酵素―ソープレスソープ (スルホン酸型) 併用のものは酵素―石鹸併用よりも更に著しく効率向上する.
3.蛋白質糊付布の場合温度40℃P.H.7.5りん酸緩衝液使用, 時間30分, 酵素量0~8U/c.c.洗剤29/lに於て
a) 酵素のみを加えたものは若干の効率向上を示すが微弱である.酵素添加量を多くしても効率は向上せぬ.
b) 酵素―石けん併用, 酵素―ソープレスソープ (スルホン酸型) 併用の場合にはいつれも酵素添加によって著しい効率向上を示す.且その程度は両者ほとんど同じである.酵素添加量を多くしても効率増加は向上せぬ.酵素量は2U/c.c.で充分である.
c) 酵素―石けん併用の場合は緩衝液使用 (PH7.5) でも緩衝液なし (PH10.5) でもほとんど同程度にまで向上する.
4.洗たくの時間を長くすれば効率は向上する.併し15~20分間で充分である.
抄録全体を表示