本研究は, 既製服の不適合者が前報で多くみられた大きいサイズを利用しているミセスを対象に, 身体寸法と衣服寸法, 既製服の着衣号数, 部位別適合度等との実態を把握するために, 意識調査と同時に身体計測を行った.
結果, 身体計測寸法と現在寸法とはその平均値は近い値を示しているが, 個人差が大きい.例えば胸囲で現在寸法90cmの計測寸法には+4cmから-7cmの差があり, 自己の身体寸法の認識の不正確さが認められた.
胴囲と腰囲について, 市販既製衣料サイズと計測寸法を比較すると, 胴囲が大きくなるほど大きな差が認められ, また, 腰囲に比べて胴囲の大きい人が多い.このことから既製衣料サイズの見直しが必要であると考えられる.
ドロップ20cm以上, 胸囲97cm, 100cmの人が多いにもかかわらず, JISにはこのサイズ範囲がない.また意識調査ではドロップが大きくてもずん胴だと認めている人が多い.これは寸法のみで表現されないミセスの体型の特徴の要素を含んでいる.
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