東京都内にある服装専門学校の女子学生 (新入学生, 上級学生) と女子教員を対象として, 接着芯地の認識とその利用についてアンケート調査を行なった.調査結果のおもな点は, つぎの通りである.
1) 接着芯地の各組織を「知っている」, 「使ったことがある」は, 新入学生群が最も低く, 上級学生, 教員群は全般的に高い比率を示した.
2) 各被調査者群とも「最も多く使った」と「最も好き」は接着芯地の組織で連関していて, 新入学生, 上級学生群では, 不織布接着芯地が, 教員群では, 織物接着芯地が目立った.
3) 上級学生, 教員群とも, これから「使ってみたい」接着芯地の組織として織物, 編物接着芯地に支持が多かった.また, 両群とも「最も好き」との間では, 有意差のある連関を示した.
4) 接着剤の4散布状態を「知っている」は, 新入学生群で最も低く, 上級学生, 教員群の順に高くなった.散布状態では, 各群ともドット状が最高で, フィルム状が最低の比率を示した.良く「知っている」教員群は, 接着芯地の選定に際し, 組織, 散布状態を含めて多面的に「考慮する」としていた.
5) 具体的に被服を製作する事例では, 上級学生, 教員群とも, 同様の傾向で接着芯地の組織, 接着剤の散布状態を選定したが, 上級学生群と教員群とでは, それぞれに異なる連関をみせた.
終わりに, 本調査に御協力いただいた調査校や調査対象の方がたに感謝の意を表する.
抄録全体を表示