羊毛100%, 羊毛50%・ポリエステル50%混紡織物の着用時に経験する“テカリ”現象について検討を加えた.
まず着用時の衣服の“テカリ”発生部分を顕微鏡で観察し, その再現性試験のためにアピアランス・リテンション形ピリング試験機を利用し, 摩擦子としては椅子張り地, 机・椅子等に用いられている材料を用いた.
1) “テカリ”発生の原因は, 羊毛のスケールが除去されるだけでなく, 羊毛繊維が摩擦により摩耗欠損を生ずる原因が含まれる.
2) 摩耗を起しやすい摩擦子としては, 椅子張り, 座席シートに使われている塩化ビニル・レザー, 家具, 机, 壁面等に使われている化粧板などがあげられる.化粧板の中ではジアリル・フタレート樹脂を用いた化粧板が摩耗に大きく影響する.
3) “テカリ”の多少は, 視覚による官能検査結果と変角反対曲線より求めた対比光沢度の値がよく一致する.
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