水溶性染料Orange IIをモデルとして, ドライクリーニング浴中での, 木綿布および羊毛布に対する汚染について, 界面活性剤Aerosol OT濃度と可溶化水分量の影響を検討した.
溶剤中において, 界面活性剤ミセル中の水に可溶化された水溶性染料は, 界面活性剤ミセル中の水と繊維の吸着水の間に分配し, 溶剤溶液中の染料濃度〔
D〕
sと繊維の染料濃度〔
D〕
fの間に分配則が成立する.この分配比〔
D〕
f/〔
D〕
sは, 可溶化水分量が増加するにつれて増加し, 界面活性剤濃度が低下するにつれて増加する.すなわち, Aerosol OTの場合, 水溶性染料による汚染は, 界面活性剤に対する水のモル比1.5, 溶剤相対湿度50%からはじまり, モル比2.8, 溶剤相対湿度72%以上では, 顕著になることが示された.
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