現代女性の被服製作に関する意識や実態を把握し, その意義や問題点を明らかにするために, 質問紙による統計調査を行なった.その結果次のようなことが明らかになった.
(1) 過去1年間に何らかの被服製作を行なった女性は64%, そのうち53.4%の女性が積極的に被服製作を行なっている.また製作に必要な技術も洋裁や編物では約70%の女性がひととおりの技術をもっている.
(2) 製作動機では, 被服費の節約や体型への適合といった合理性よりも, 作るプロセスを楽しんだり, 家族への愛情伝達, 個性的な装いを楽しむといった精神的な満足をあげている.
(3) 現代女性にとっての被服製作は, かつての家事労働といったイメージではなく, 趣味や稽古事として自己啓発や生きがい, あるいはコミュニケーションの対象となっている.
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