さまざまな被服行動の中で, 被服嗜好性とパーソナリティ特性間には, 複雑なかかわりあいが存在する.
本研究は, 被服に関する嗜好性の中から特にスタイル嗜好性に注目し, 女子大学生を被験者として, パーソナリティ特性との関係を調査した.
本調査結果より, 以下の1) ~4) の特定的解釈を推論することができた.
1) 外向的パーソナリティ特性は, スタイル嗜好性の時代性 (時代おくれ, クラシックな度合) , 様式性 (デコラティブ, アンバランスな度合) と負の関係, 逆に情緒性 (ロマンティック, 華麗な度合) と正の関係をもつ
2) 情緒安定的パーソナリティ特性は, スタイル嗜好性の情緒性と正の関係を, スタイル抑制度合 (通常着用するスタイルともしできれば着用したいスタイルとの遊離度) と負の関係をもつ.
3) 社会適応的パーソナリティ特性は, スタイル抑制度合と負の関係をもつ.
4) スタイル抑制度合は, スタイル嗜好性の時代性と正の関係をもつ.
抄録全体を表示