アニオン界面活性剤 (DBSまたはAOS) ・ポリアクリル酸ナトリウム・アルカラーゼの無リン洗剤配合系における溶液特性について検討し, 複合系における相互作用の観点より, 洗浄ならびに汚染の機構について解析した.
1) DBS, AOS, SPAは, アルカラーゼの酵素活性を低下させ, Caイオンは酵素活性を賦活させる.したがって, 硬水下におけるアルカラーゼの活性は配合剤のCaイオン相互作用の大きさに大きく影響され, DBSでは低下が大きく, AOS, SPAでは活性への影響が小さくなる.しかし, 配合系における洗浴の酵素分解能は酵素の配合量にほぼ比例する.
2) 汚れがたん白質単独の場合には, たん白質汚れの洗浄性, 再汚染性は酵素活性に支配されるが, 固体汚れが共存する場合には, 固体汚れの影響を受ける.一方, 固体汚れの布への付着挙動もたん白質汚れ, ならびに酵素作用によって影響を受け, 複合系においては汚れ間, および汚れと配合剤間相互作用の影響が大きい.
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