乳児用肌着編布の試験片による繰り返し洗たくを100回行い, その間の物性変化および風合い変化挙動を調べ, 考察した.一方, 3名の乳児を被験者とし, 同編布のシャツの着用・洗たくのサイクルを30回繰り返した結果と試験片での結果を比較検討した.
1.洗たく回数Nの平方根, √Nに対しほぼ直線的に伸びにくく, せん断かたくなり, 圧縮かたくなる傾向が認められた.
2.曲げ特性, せん断特性では洗たくによる収縮挙動との間に相殺効果が認められた.
3.風合い変化では“こし”, “はり”が高くなり, “しゃり感”が大きくなると同時に, “ふくらみ感”が低下することが定量的に捉えられた.
4.シャツの物性変化は試験片に比べ小さいが, 引張り, 曲げ, せん断特性の塑性成分は試験片と同程度もしくはやや大きく, 着用による繰り返し変形の影響が推察された.ただし, かさ高いポリエステル交編パイル編布ではむしろ圧縮特性に現われ, 圧縮かたくなる傾向が捉えられた.
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