温熱的にかつ総合的に快適でありうるような着衣のあり方を追究しようとして, 英国人との対比により, 着衣の快適感に寄与する要因についての検討を行った.解析には, 冬期の調査によって得た, 性および年齢層別人数が同数の日本人事務職員 (JW) および英国人事務職員 (EW) 各400名のデータを供した.
1) 着衣の快適感に寄与する要因は, 着衣量, 快適な着衣の条件に関する3因子の重視度, 性, ナショナリティーおよびオフィス内気温などであった.
2) 健康上好ましいと評価してきた薄着習慣は, 着衣の快適感を高めることと整合性を示すことがわかった.
3) JWはEWより男女とも, 温熱的に快適でありかつ, 着衣が快適であった者の率が有意に低かった.この差に, 着衣量および快適な着衣の条件に関する因子の重視度が関与していることが明らかにされた.
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