和服着装状態において, 白い半衿の有無が肌色の見え方にどのように影響しているかをみるため, 一対比較法による評定を行い検討を加えた.その結果, つぎのような結論をえた.
1) プロフィール全体的に半衿が, 肌色の見え方に影響を与え, 肌色は明るく, 色みも強く見え, 色相が異なって見えた.
2) 数量化分析半衿が肌色の明度, 彩度に与える影響は, 和服の色調より色相が, 肌色の色相に与える影響は, 和服の色相より色調が大であった.さらに, カテゴリー別にみれば, 黄およびpトーンの負荷が高かった.
3) 単純集計半衿の存在は, 3トーンとも肌色の明度, 彩度の見えに変化を与えていた.すなわち, 半衿の効果で肌色がきれいになるものと考えられた.
4) クロス集計半衿の存在により, 明度, 彩度および色相の各間の関連はかなり高く, なかでも, 明度と彩度の関連が非常に高かった.また, 対象別にみれば, 各項目間の関連が高いのはpトーンに多かった.
和服着装状態において, とくに肌色部分を注視した場合, 半衿の存在により, 肌色がきれいに見えるものと考えられた.すなわち, 和服の白い半衿は肌色の見え方に多分に影響を与えていた.
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