本研究は, 服装とパーソナリティとの間の仮定された関連性を, 女子の服装を男子がどのように捉えているかという視点から検討することを目的にした.前報の結果との比較において, 本研究の結果は, 次のとおりであった.
1.女子の服装特徴とパーソナリティ特性の間に, 男子が仮定している関連性は, 明白なものであった.しかしその関連性は, 女子が同性に対して仮定している関連性ほど, 強くなかった.2.パーソナリティから想起される服装特徴は, 「奇抜さ」を中心にしたものであって, 服装から想起されるパーソナリティ特性は, 「親和性」を中心にしたものであった.特に後者の結果は, 服装から想起されるパーソナリティ特性が「思慮性」を中心としたものであるという, 女子評定者の結果と対照をなした.3.服装は, 同性の間では, 主として対人関係の形成や維持に関係しているのに対して, 異性の間では, 主として感情的好意の形成に関係していると推察された.4.服装特徴とパーソナリティ特性とのグルーピングに関する数量化皿類の結果から, 特に次のような点に関して, 男女差が示された.すなわち, (1) 親和的な性格と結びつけて捉えている服装特徴の数, (2) 身体を表示するような服装の人物を, どのような性格の人と捉えているかの内容, (3) いくつかの服装特徴と性格との間の関連づけ, である.
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