第1報における毛布の品質要求調査の結果にもとづき, 市販毛布20種について要求される性能の品質試験を行ない, それらの毛布における品質性能の検討を行なった.本報では品質要求度の高い衛生的機能, 着心地と, 要求度は高くなかったが, 実用的な面から機械的性質についての結果を報告する.
毛布の衛生的機能のうち, 保温性については繊維の種類よりも, 厚さ, 含気率, 見かけ比容積が大きくふっくらとしたものほどよい.吸湿性は繊維の種類に起因している.
着心地の主観的評価においては, 暖かさ, 圧縮性, 柔らかさ, 密度重量感, 軽さ, 表面の状態, 圧縮回復性, 厚さ, 接触温感等が重要視されている.風合いの主観的評価に関係する物理的要素としては, 相関係数から, 圧縮率, 圧縮反発総合率, 剛軟度の他に見かけ比容積, 見かけ比重, 重さ等が考えられる.
機械的性質のうち, 摩耗強さは繊維の種類よりも, 製織および仕上げによる影響が大きいと考えられる.
抄録全体を表示