本研究は泡沫洗浄における固体粒子汚れの洗浄機構を解明することを目的としている.酸化鉄 (III) 固体粒子汚れを付着させたナイロンメッシュスクリーンを用い, 汚染布を泡沫進行方向に垂直に固定する方式の泡沫洗浄を行い, 汚れの付着状態が洗浄性に及ぼす影響について検討し, 以下の結果を得た.
1) 酸化鉄 (III) 粒子によるナイロンメッシュスクリーン汚染布の表面状態を走査電子顕微鏡下で観察すると, フィラメント表面積に対する汚れ付着量が0~0.012mg/cm
2の範囲では, 一次粒子と二次粒子が比較的均一にフィラメント表面に付着することが認あられるが, 0.012mg/cm
2以上になると, 粒子がフィラメント表面全体に凝集体として付着することが認あられる.
2) 粒径の異なる酸化鉄 (III) 粒子のナイロンメッシュスクリーン汚染布の泡沫洗浄においては, 酸化鉄 (III) の粒径が大きいほど除去しやすく, 同一粒径の粒子では付着量が増すと洗浄率が低下する傾向が認あられる.
3) メッシュスクリーンの開孔部が小さくなるとメッシュスクリーンからの再起泡にともなう汚れの運び出し作用が増すため, 洗浄性が高まる.
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