被服の着装状態において, 我々の生活環境は被服の色, 形態と共にそのイメージを決定する1つの重要な要因と考えられる.本研究では, 人々が異なった環境で衣服を着用した際の感情効果は, 色, 形態, 環境とどのような関係があるかをコンピューターグラフィックスを用いて検討した.生活環境下の被服のイメージは因子分析の結果より「力量性」「評価性」「活動性」「機能性」の4因子で表される.因子得点を用いて行った分散分析の結果, 色形態, 環境の3つの主効果, 色×形態, 色×環境, 形態×環境の交互作用といったそれぞれが各因子に影響を与えている.またCFH-PARAFAC分析の結果より, 力量性を高あるには被服の色が紫や黄, 形態がスポーツルックやトルソーライン, 環境は街頭という組合せが貢献している.同様に, 評価性を高あるには被服の色が黒, 形態がストレートライン, 環境が教室という組合せが, 活動性を高あるには榿, 緑のスポーツルック, 街頭の組合せが, 機能性を高あるには黒, スポーツルック, 居間という組合せがそれぞれ貢献していると考えられる.このように被服を着用する際のイメージ作りには, 被服の色, 形態, 生活環境の組合せを考慮することが必要である.
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