本研究はブラウスの肌触りの評価における摩擦特性の役割を明らかにすることを目的としている.1988年に市販された21種の春秋物ブラウスの肌触りが30人の女子大生によって評価されている.ブラウス布の摩擦特性は前腕ベルト法とKES法によって得られている.前腕ベルト法は女子大生の前腕皮膚と布との摩擦を, KES法は布とピアノ線との摩擦を測定している.肌触りと摩擦特性との関連が検討され, 次のような結果を得た.
1) 肌触りの快適なブラウスはサラサラ, ツルツル, ソフトな肌触りを有し, 不快な物はチクチク, ザラザラ, ゴワゴワしている.前者は絹やポリエステル製にみられ, 後者は麻や麻・木綿混紡製にみられた.
2) 前腕ベルト法によれば, 快適なブラウスの多くは平均摩擦T/T
0が2以下, 摩擦の変動l/l
0が1.4以下の摩擦特性を有し, 滑り易い.
3) KES法のMMD (摩擦係数の平均偏差) が0.025以下のブラウスの多くは快適である.
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