60~90歳の男子174名と女子205名の足部データを主成分分析し, 男女の比較による高年層の足型特性を検討したが次の様な結果を得た.
1) 男女を別個に分析した場合では, 第4主成分は男女共通の意味をもつが, 第1, 第2, 第3主成分は男女が異なった意味をもつので, 分析結果を男女別個の履物設計に用いる場合には別個に分析した方がよい.
2) 男女を総合して分析した場合では, (1) 第1主成分は足の総合的大きさを示すsize factorであり, 主成分の平均スコアは全般に男子の方が高い (2) 第2主成分は足甲高の傾向を示すshape factorであり, 平均スコアに性差はみられない (3) 第3主成分は足の幅や周径の傾向を示すshape factorであり, 平均スコアは女子の方が高い (4) 第4主成分はボール角度と内不踏長/足長の両方の大小を示すshape factorであり, 平均スコアは60歳代に性差がみられ, 女子の方が高い.
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