繊維製品の通信販売利用の実態と40~50代の主婦の通信販売に対する意識について調査を行い, 検討した結果は次のように要約される.
4-1通信販売を利用したことのある人は67.7%であるが, 「よく利用する」人は3.1%と少ない.また, 通信販売の利用者, 未利用者と基本属性の関係をみるためにクロス集計を行ったが, x
2検定による有意は認められなかった.
4-2通信販売で購入した品目は被服類が49.7%と最も多く, 次いで家具類14.2%, アクセサリー・貴金属類11.5%, 寝具類11.3%, 家電用品類10.3%の順であった.
4-3購入のための情報源は全体では「通信販売用カタログ」が42.6%と最も多く, 次いで「折り込み広告・ちらし」が25.7%, 「テレビショッピング」
が17.0%で, 購入品目によって情報源は異なる傾向にあった.繊維製品でも被服類は「通信販売用カタログ」が67.5%, 寝具類は「テレビショッピング」が30.5%と最も多く, 両者間に相違が認められた.
4-4繊維製品全体の購入は13歳以上の女子用衣料が83.5%, 13歳以上の男子用衣料が15.6%, 子供用衣料 (4~12歳の男女) が0.9%で, 0~3歳用衣料は皆無であった.品名は靴下類, 下着類, ねまき類, トレーナー・Tシャツ類等, 試着を必要とせず, 比較的安価なものが購入されている.
4-5購入した者の期待度は, 「期待どおり」が57.2%であった.「期待どおりでない」, 「良いものも悪いものもあった」と回答した者の期待はずれの内容は, 品質38.0%, サイズ21.0%, 色・柄16.7%であった.また, 期待どおりでなかった者の返品・交換の有無については, 「しない」が74.5%と高率であった.
4-6利用者の動機は, 「価格が手頃である」が25.7%, 「自宅まで届く」が17.6%, 「自分の好みの商品がある」が16.5%, 「自宅でゆっくり選択できる」が10.2%で, 今後の利用については「おおいに利用したい」は36.2%であった.
4-7通信販売に対する意識は, イメージプロフィールから利用者, 未利用者ともに「通信販売のカタログを見るのは楽しい」, 「実物を見て購入できないのは不安だ」, 「これからも通信販売は伸びていくと思う」の項目に「思う」の評価が高く, 「通信販売は高級志向である」, 「失敗してもあきらめられる程度の金額なら買う」は「思う」の評価が低い.また, 購入に関する項目は利用者と未利用者の評価の差異が大である.
因子分析の結果7因子が抽出されたが, それぞれ「便利・楽しみ」の因子, 「不安」の因子, 「高級・ファッション性」の因子, 「情報」の因子, 「あきらめ」の因子, 「支拂い」の因子, 「個性」の因子と解釈した.
最後に, 本調査にご協力くださいました皆様に感謝の意を表します.
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