一般家庭で生活している高齢者に着用されている寝衣について調査した結果は, 次のように要約される.
4-1調査対象者の属性は, 年齢は男子は70歳以上が98.3%, 女子は65~79歳までが91%を占めた.住んでいる場所は愛知県, 岐阜県, 三重県で90%に近い.家族構成は男女に差がみられ, 「夫婦で子供夫婦と同居」が男子は80.4%, 女子は64.4%である.健康状態は男女ともに約75%が良好であり, 一日の睡眠時間は男女ともに8~9時間が最も多い.4-2寝るときに寝衣に着替えるか否かは, 男女ともに87%以上が着替えている.着用されている寝衣の種類は, 男子は寒暖ともにパジャマと和服式ねまきが半々である.女子は和服式ねまきが寒暖ともに50%を超え, 次いでパジャマが30%台, ネグリジェが10%台で, 和服式ねまきの着用率が男子より高い.また, 和服式ねまきは70歳以上に着用率が高い.
4-3和服式ねまきは一部式が大部分で, 材料は暖期はガーゼ地と木綿地, 繊維組成は綿100%が多い.寒期はネル地が多く, 繊維組成は綿100%以外に綿やウールと化繊の混紡もみられる.
4-4パジャマは, 男子は, えりは「あり」, そで口, ズボンの裾は「開いたまま」, 留具はボタン, ズボンのウエストはゴム, 材料は暖期は織布で綿100%が多いが, 寒期は編布で混紡も着用されている.柄はストライプ, 無地が多い.女子が男子と異なる点は, そで口をゴムやひもで絞るものが, 柄に「その他」が多いことである.
4-5着用感については, 和服式ねまきは「着脱しやすい」, 「ゆったりしている」が高率で, 動きにくく, 洗濯しにくいと答えている.パジャマは「着脱しやすい」, 「動きやすい」, 「あたたかい」, 「肌ざわりがよい」, 「洗濯しやすい」が50%前後の出現率を示している.
4-6寝衣を購入する人, 整理する人は, 男子では「家族」に負うところが大きいが, 女子の50%は「本人」である.購入場所は「小売店」と「スーパー」が多い.
最後に, 調査にご協力くださいました本学学生のご父兄の皆様に感謝します.
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