高齢婦人用袖原型作図法考案に必要な体型特性情報を得ることを目的として, 62~80歳の高齢女子41名と20~21歳の若齢女子52名を対象に腕付け根線, 後腋点水平位, 前腕最大囲位における形状分析ならびに上腕, 前腕, 前後腕付け根振り角の測定を行った.
その結果, 高齢女子は, 腕付け根線における上腕骨頭前突点周辺の突出, 前腋点位の下降, 後腋点位水平断面の後方伸展, 肘関節屈曲の増大が認められた.そして, これらは, いずれも上腕の後方傾斜から引き起こされていることがわかった.従って, 高齢女子用袖原型は, 袖山部, 上腕部, 前腕部を独立して作図し, 袖山部と上腕部接合時に上腕振り角, 上腕部と前腕部接合時に前腕振り角要素を導入すればよいと考える.
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