和服の帯電性は和服の快適性, 特にそのすそさばきに関わる要因の一つと考えられる.本報では, 和服の帯電性に影響を及ぼす要因, 例えば相対湿度, 着物やじゅばんの材質, それらの組み合わせ, および着物上での測定位置を, 我々の試作した歩行装置を用いて検討した.
結果は極めて高い再現性を示し, 上述の4要因はすべて1%の危険率で統計的有意性を示した.和服の帯電性は, 低相対湿度下, 着物の裾上10cm, 左側で測定された場合が最も高く, このような条件下では, 絹の帯電電位が最大4.0kVという高い値を示した.一方制電加工のポリエステルは0.5kV以下の低い値を, また加工なしのポリエステルは, それらの中間, 最大2.5kVの値を示した.制電加工ポリエステルの着物またはじゅばんとの組み合わせ着装は組み合わせ相手の帯電電位を低下させる結果となった.
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