繊維製品消費科学
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35 巻, 9 号
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  • (第3報) ―日焼け防止効果―
    坂本 光, 桑原 久治
    1994 年 35 巻 9 号 p. 458-467
    発行日: 1994/09/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    紫外線遮蔽性布帛の日焼け防止効果について, モデル及び実着用で試験した結果は次の通り;
    1) 通常の着用で衣服背中部の紫外線被曝量は透過予想量 (=紫外線量×布帛の透過率) の約3分の1である.
    2) 通常の日本人の日焼け性は, 衣服を通過した紫外線量が20KJ/m2で極く軽度, 40以上で軽度, 70以上で明瞭な日焼けが生じる.
    3) 洗濯後の綿布は洗剤中の蛍光剤により紫外線透過率が大幅に低下するが, 日焼け防止効果の向上は小さい.
    4) 太陽光の衣服への入射角度が透過性に大きく影響し, 垂直であるほど透過率が高い.
    5) 一般的な日常活動では, 衣服の紫外線透過率が30%以下であれば軽い日焼け以下で済むと推測される.
    6) 屋外活動の多い人や日焼けしやすい人向けの紫外線遮蔽性衣服の性能基準は“透過率10%以下”が適当である.また過敏な人には1%以下が望ましい.
  • 永野 光朗
    1994 年 35 巻 9 号 p. 468-473
    発行日: 1994/09/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    個人における被服行動の様式を客観的, 定量的, かつ簡便に測定するための質問紙尺度である「被服行動尺度」の作成を試みた.先見的に作成した64項目に関する男子大学生332名, 女子大学生431名の評定結果を性別に因子分析にかけ4因子を抽出した.これらの因子は男子, 女子ともほぼ類似したものであったので, 同様の因子構造をもつものと判断し, 被服行動尺度はこれらの因子の解釈をふまえて4つの下位尺度 (流行性尺度, 機能性尺度, 適切性尺度, 経済性尺度) から構成されるものとした.因子分析における各項目の因子負荷量と各尺度の内的整合性の検討 (Cronbachのα係数による) から, 各下位尺度毎に5項目を選定し, 合計20項目からなる「被服行動尺度」を作成した.
  • 權 五敬, 成 秀光
    1994 年 35 巻 9 号 p. 474-479
    発行日: 1994/09/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    編布の熱移動に対する相対湿度および空気層の影響を究明するために熱的特性測定器 (Thermo Labo II) を使って内衣用編布10点の湿度および空気層の厚さに対する熱移動特性である保温率, qmaxを測定した.また, これらの熱移動特性に対して熱伝導率, 通気性, 温度および空気層の厚さ影響を統計的に分析考察して次の結果を得た.
    1.編布の保温率は見かけ密度が少なくなるほど, 空気層の厚さが厚くなるほどよく, 空気層の厚さ8mmでは150%まで保温率が増大した.湿度の増加に伴い保温率は一定に減少して65%RH以上での変化は緩慢であった.
    2.相対湿度が大きくなるとqmaxが増大して冷感が大きくなった.編布の見かけ密度が少なくなるほど, 表面状態があらくなるほど温感が大きくなり, 表面が平滑になるほど冷感が大きくなった.
  • ―中わたの繰り返し圧縮弾性―
    西出 伸子, 関口 典子
    1994 年 35 巻 9 号 p. 480-486
    発行日: 1994/09/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    敷き布団の中わたの使用特性は, 繰り返し圧縮弾性が要求される.使用した4種の敷き布団と3種の新しいわたについて, 標準状態で加重2200g/100cm2, 延べ230日間約8か月 (1日8時間睡眠と仮定) の繰り返し圧縮弾性の変化について実験し, 次の結果が得られた.
    1) 圧縮基準値は新しいわたに洗浄を行ってもあまり変化は見られないが, 手入れを行った使用した中わたは新しいわたの状態に近づく.
    2) 新しいわたの回復基準値は優れている.回復基準値は繊維の種類以上に使用履歴が関与している.
    3) 繰り返し圧縮弾性の変化は, 新しいわたは繰り返し30回 (就寝日数2か月) , 洗浄を行った使用わたは繰り返し10回 (就寝日数3週間) まで洗浄効果が認められる.
    4) 圧縮弾性の回復について中わたの洗浄は, 打ち直しや打ち直し後の洗浄より明らかに劣るが, 洗浄することは手軽にできる良い方法である.
  • (第11報) ―織物に付着させた球形粒子の除去―
    日景 弥生, 岩崎 芳枝
    1994 年 35 巻 9 号 p. 487-490
    発行日: 1994/09/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    粒子除去に必要な力を算定するために, ポリエステルタフタにポリエチレン, ポリスチレン及びガラス粒子を付着させて, 既に報告した流体力洗浄装置を用いて洗浄し, FH1/2 (粒子除去力) を評価した.さらにポリエステルフィルムの結果と比較した.
    1.除去率は, ポリエステルタフタを用いた場合の方がポリエステルフィルムの場合より小となった.
    2.FH1/2はポリスチレン及びガラス粒子で得られ, その値はポリエステルタフタを用いた場合の方がポリエステルフィルムの場合より大となった.
    3.除去率は流れに対して平行に付着している粒子の方がそれ以外の場合より大となった.
  • 岡部 和代, 山名 信子, 山本 和枝
    1994 年 35 巻 9 号 p. 491-498
    発行日: 1994/09/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    この研究は, 成人女子のシルエット分析と, 年齢の特徴の表れたシルエットの評価を目的とした.
    まず, シルエット分析には19~82歳の成人女子689名のシルエッター写真から得られた51項目のデータを研究項目として, 主成分分析法により検討した.
    次に年齢の特徴の表れた7つのシルエット写真を成人女子689名の中から抽出した.女子学生284名がこの7つのシルエットをSD法により評価した.
    その結果, シルエットの視覚評価は年齢により異なって判断されることが分かった.
  • 石井 眞人, 神宮寺 勝紀
    1994 年 35 巻 9 号 p. 499-504
    発行日: 1994/09/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
  • ―超・長繊維綿の品質と表示を中心に―
    雙田 珠己
    1994 年 35 巻 9 号 p. 505-509
    発行日: 1994/09/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    超・長繊維綿を中心にした差別化原綿の市場実態と生活者の意識調査の結果は次のように要約される.
    (1) 市場には超・長繊維綿を示す原綿の表示が増え, エジプト綿, 海島綿, スーピマ綿, トルファン綿などがみられた.そのうち最も多くみられたのはエジプト綿であった.超・長繊維綿の表示のあるものを18件サンプリングし, 繊維長を測定した結果, 今回のサンプルについては, いずれも繊維長が1.10インチ以上有り, 超・長繊維綿が使用されているといえた.ただし, 「エジプト綿」のように, 超長綿と長繊維綿の2つの品質のランクを含む場合, 現在の表示からは購入時に品質判断をすることはできなかった.
    (2) 現在市場にみられる差別化綿の中で, 知名度が高かったのは, エジプト綿, インド綿, 海島綿, 中国綿などで, そのうち高級綿として認識されていたのは, エジプト綿と海島綿であった.こういった差別化綿を使用したことのある人は全体の7割に及び, 差別化綿に関する知識と関心はそれほど高くないにも関わらず, これらの商品は, 既に生活の中に浸透しているといえた.
    (3) エジプト綿の表示の問題を生活者の側から明らかにするため, 繊維長が超長綿に近いエジプト綿と, 中長繊維綿に近いエジプト綿を使用した商品の表示例を示し, 表示を読んだ印象から品質の優劣を判断させた.商品に関する知識が十分でない場合, 生活者は表示の内容を信頼し, 表示のイメージが良くインパクトの強いものほど, 品質の評価は高くなった.このような, 誤解を招く表示は生活者にとって明らかに不利益であり, 「不当景品類及び不当表示防止法」第4条1号に触れる恐れがあるといえる.
  • 樋口 才二
    1994 年 35 巻 9 号 p. 510-514
    発行日: 1994/09/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
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