円筒モデル実験により, 着衣による身体周囲長の増加に関する検討を試みた.この結果, 布を円筒に巻いた上から計測することによる周囲長の増加量には, 布の厚さ, ゆるみ率, および円筒の太さの違いによって, 一定傾向の差異が認められた.そして, 増加の基本原則として次のような結論を得た.
1) ゆるみ部分を分散させずに, 1箇所に折りたたむことによって, 布を巻いた上から計測する場合の計測値の増加量を最少に抑えることができる.
2) 増加量は布の厚さに比例し, ゆるみ率が大きい程, また円筒が太い程大きい.
3) 増加量を表す次式を導いた.
(増加量) =2πt { (2θ
1+1) +0.032r
1} [t: 布の厚さ, θ
1: ゆるみ率, r
1: 円筒の半径, 単位cm]
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