本研究の目的は, 出産祝いにおいて, 第1は購入金額が要因によりどのように決定されるかを明らかにすること, 第2は効果が顕著であった要因と品目別の購入量の関係及び購入理由と品目の関係を求めることである.
主な結果は次のとおりであった.
1) 購入金額に影響を与える要因
(1) 贈られる人物が影響を与える要因は新生児の属性であった.
(2) 贈る人物が影響を与える要因は間柄と職業であった.
(3) 店舗が影響を与える要因は売場面積と立地であった.
2) 効果が顕著であった要因と購入量の関係及び購入理由と品目の関係
(1) 第1子は第2子以降と比べて組ふとん, 宮参りドレス等を贈られる比率が高く, 第2子以降はおもちゃとタオルを贈られる比率が高かった.
(2) 購入した比率が高いものは, 祖父母が組ふとん, 親の友人知人がおもちゃと衣類セットと靴, 親の親戚兄弟が人形であった.
(3) 購入理由から21の品目を7つのグループに分類した.この各グループの品目と数量化III類によって得られた3軸のサンプルスコアを用い, 3軸が次の特性を示すことも導いた.それぞれ「実用性」, 「無難性」, 贈り手の「嗜好性」であった.
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