素材の異なる3種類の靴 (天然皮革靴, 合成皮革靴, 人工皮革靴) の着用による靴及び靴下への汗成分の蓄積の挙動を検討し, 靴素材との関係を明らかにした.
試験靴及び靴下の蓄積成分量には大きな個人差が見られた.これらは, 天候, 運動量, 年令, 体調, 摂取食事内容などの要因が影響することによるためと考えられる.
靴に蓄積される汗成分を素材別で比較すると, 天然皮革靴, 人工皮革靴が多く, 合成皮革靴は非常に少なかった.逆に, 靴下への蓄積量は, 合成皮革靴で履いたものが, 天然皮革靴や人工皮革靴で履いたものよりやや多かった.これは, 合成皮革靴の素材が吸水性・吸湿性の乏しいビニルシートであるため, 靴素材に吸収されない汗成分が靴下に吸収, 蓄積したためであろうと推定される.
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