高齢者の衣服設計の基礎となる体型の特徴を捉えるため (社) 人間生活工学研究センター (HQL) の日本人の人体計測データから60歳以上の高齢者のデータを用い, 年代別に分析し, JISサイズとの比較検討を行った.60歳代以上の高齢者は身長をはじめ, 全体的に小さい体型である.特に背・肩峰距離の増加に伴い, 乳頭・ウエストライン距離, 頚椎からの前丈の減少が大となることより, 背中の彎曲が高齢者体型の特徴であることが明らかになった.さらに6項目について行ったクロス集計より, 男女ともウエストとの関係において個人差が大きいことがわかった.また男女とも身長が低いのに対し, チェスト, ウエスト, バストサイズが大きいためJISサイズのカバー率が低下することが分かった.したがって, 高齢者用衣服では男性用にはPBB, SBBサイズ, 女性用にはSPP, LLPPサイズの設定を加えることが必要である.
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