本研究の目的は, 衣服の色彩に対する態度 (衣服の色についての規範意識と考え方) を明らかにし, それらが「着装状態の女性用スーツ」と「着用場面」の適合性評価に与える影響を検討することである.調査は, 女子大学生81名と中高年女性50名を対象に行い, データ解析には分散分析, t検定, クラスター分析, 数量化理論III類を用いた.その結果, フォーマルイメージを有する場面では, 評定者の年代に関わらず着用衣服の色彩について共通的なルールが存在することがわかった.両者ともに, 衣服のカラーコーディネートへの関心は高く, 女子大学生は特にその傾向が強かった.また, 衣服の色彩についての考え方は, 「衣服の色彩を意識する度合い」と「衣服の色彩についての考え方の明確さ」によって構成されていた.衣服の色彩についての考え方により, 女子大学生, 中高年女性を2グループに分類でき, それらは適合性評価の強弱 (より適合する, など) に影響することがわかった.
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