繊維製品消費科学
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47 巻, 12 号
選択された号の論文の10件中1~10を表示しています
  • 原田 隆司
    2006 年 47 巻 12 号 p. 706-711
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
  • 鷹股 亮
    2006 年 47 巻 12 号 p. 712-718
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
  • 才脇 直樹, 谷口 まき, 内田 肇, 神谷 之康
    2006 年 47 巻 12 号 p. 719-727
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    我々は, 高分子ゲルアクチュエータを用いて, 布の触感のようなさわり心地に関する質感を再現するディスプレイの開発を行ってきた.今回は, アクチュエータで与える人工的な触感刺激が被験者にどのように感じられたかに関する評価実験と, 人工的な触感刺激が脳の体性感覚野をアクティベイトする様子をf-MRIで可視化し触感認知について考察した結果を解説する.これらが将来, 触感の快適性評価法の開発に寄与できる事を期待している.
  • ―ウエストベルト着用時の季節と月経周期の位相に関連させて―
    丹羽 寛子, 三野 たまき
    2006 年 47 巻 12 号 p. 731-739
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    季節と月経周期の異なる位相において, 同一被験者の同一部位に腰紐とウエストベルトを着用した時に発生した被服圧とその圧感覚を比較検討した.被験者は20~40歳代の成人女子7名であった.帯の下層の腰紐圧は, ウエストベルト圧よりも有意に高かった (α≦0.05) が, 圧感覚における両者の差はなかった.ウエストベルト圧とその圧感覚は季節や月経周期の位相によりともに有意に変化したが, 帯下の腰紐圧とその圧感覚は季節や月経周期に伴って変化しなかった.ウエストベルト圧とその圧感覚, 帯下の腰紐圧とその圧感覚との間には, ともに有意な直線関係があった.後者の傾斜が前者のそれに比べ緩かだったことから, ウエストベルト圧に対する圧感覚に比べ, 浴衣圧に対する圧感覚は鈍くなることがわかった.これらのことから, 季節や月経周期の位相の変化に伴って体型が変化しても, 和服はそれを調整できる利点があることがわかった.
  • ―着用感による評価―
    須田 理恵, 田村 照子
    2006 年 47 巻 12 号 p. 740-748
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    肌着の触感に及ぼす環境温度条件の影響を明らかにする目的で, 肌着素材10種 (夏用5種, 冬用5種) を対象に, 22℃, 28℃, 34℃の環境温度条件下における着用感の評価を行った.主たる結果は次の通りである.1) 着用感による官能評価は, 夏用試料と冬用試料で異なり, 夏用試料は, さらっと感, 軽量感があり, ゆるやかなものが多いのに対して, 冬用試料は, 肌触りが良く, しなやかさに配慮した素材が多いことが示された.2) 7項目の着用感評価に及ぼす環境温度の影響について試料別, 評価項目別に検討した結果, 夏用, 冬用ともに, 冷温感をはじめとするすべての評価項目において有意な差が認められた.嗜好性についても, 夏用試料は34℃の環境下で, 冬用試料は22℃の環境下でより快適又は好きの方向にシフトする傾向にあり, 環境温度依存性が認められた.これらの結果は, 各種環境下における体温調節反応, 特に体幹部の水分蒸散量の影響によるものと考察された.3) 因子分析の結果, 第1因子としてしなやかさ, 滑りの良さ, 快適感を表す因子が, 第2以下の因子として涼暑感, 冷温感, 軽量感, さらっと感の因子が抽出され, 第1・第2因子の得点分布のばらつき, 平均値の差からも, 着用感における環境温度の影響が確認された.
  • ―戸外活動中の快適感と衣服素材物性との関係―
    潮田 ひとみ, 吉澤 知佐
    2006 年 47 巻 12 号 p. 749-755
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    屋外の暑熱環境で激しい運動を行った場合のシャツの熱・水分移動特性と着用快適感を測定した.発汗が常時起こるが皮膚表面で蒸発が起こりにくいような暑熱環境では, ウィッキングを起こしやすく衣服表面にすばやく汗を移動させるような素材着用時に体温調節が効率よく行われた.また, このような環境下では綿よりもポリエステル含有量が多い方が皮膚へ張り付きにくく, 動作を妨げないために快適であることがわかった.快適感は引っ張り仕事量WTと相関が高く, 動作に伴って布地が伸びやすい素材が運動時には快適であると評価され, 好感度はせん断ヒステリシス2HGと相関が高く, 布がずれた場合にそのずれが戻りにくければ好感度が高いと評価されることが明らかになった.
  • 第1報実験室での被験者実験の結果
    薩本 弥生, 望月 真理
    2006 年 47 巻 12 号 p. 756-763
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    着心地のよいブラジャーの設計や新しい設計システムを構成するためには, ブラジャー着用時の身体適合・運動機能性を明らかにすることが重要である.特に女性にとって身体的・精神的に変化の大きい授乳期には体型の著しい変化にも適応し, 機能的で着心地のよい設計が望まれる.しかし, 授乳期の乳房の形状や振動の詳細は知られていない.また, 助産婦や母親たちのサークルの中では, 授乳期の乳房は動きや摩擦によって乳の量が増えると経験的に言われている.そこで, 本研究では, 授乳期のブラジャー設計の基礎データを得ることを目的とし, ブラジャーの身体適合性, 運動機能性に関する被験者実験を行った.身体適合性を検討するためには3次元非接触身体計測装置を用いて乳房形状を計測した.ブラジャーのタイプ別に動作解析システムを用いて跳躍時の乳房振動を測定し, ブラジャーのカップ部及び肩紐の衣服圧も計測した.また, フォースゲージを用いて乳房皮膚への押し込み量と応力の関係から乳房の硬さを計測した.その結果, 乳房の振動1生はType2の方がType1よりも大きく, ブラジャーと乳房のズレが乳頭点で観察され, 動作により乳頭部がブラジャーにより擦られる刺激が生じていることが確認された.Type1ではズレはあまり生じていなかった.衣服圧はほとんどの部位でType1の方が, Type2よりも大きかった.動きやすさと締め付け感の着用感アンケートによると有意にType2の方が動きやすく締め付け感が小さい評価であった.
  • ―東海地区の女子大生―
    成瀬 正春, 内田 有紀, 平岩 暁子
    2006 年 47 巻 12 号 p. 764-771
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    種々の化学物質が, 快適性とファッション性を付与するために衣料処理剤として使われる.しかしこれらの化学物質は, 皮膚障害を引き起こすことがある.アトピー性皮膚炎の患者は, 衣服に用いられている化学物質に対して敏感である.近年, 皮膚障害を予防する処理を施した衣服が市場にみられる.本研究の目的は, 市場に出ているこれらの衣服が, 皮膚障害の症状の改善に役だっているか否かを調査することである.
    調査は, 質問紙法により行った.調査対象は, 年齢18~22歳の東海地方に在住する女子大生858人である.調査では, 衣服による皮膚障害の経験の有無を尋ねた.さらに, 調査対象者には, 「肌にやさしい衣服」の認知度, 着用経験, および「肌にやさしい衣服」の着用によって皮膚障害が改善されたか否かを尋ねた.
    最も多い皮膚障害の原因は衣服であり, 調査対象者の37.7%を占めた.衣服による皮膚障害経験者群の「肌にやさしい衣服」の認知度は45.9%であり, 非経験者群は40.6%であった.衣服による皮膚障害経験者296人中22人である7.4%が, 「肌にやさしい衣服」を着用したことがあった.非経験者群は490人中15人の3.2%が「肌にやさしい衣服」を着用したことがあった.このように, 「肌にやさしい衣服」の着用者数は, 経験者群は非経験者群より有意 (p<0.01) に高値であった.「肌にやさしい衣服」の着用によって皮膚障害の症状が改善された者の数は, 22人中11人であった.「肌にやさしい衣服」の着用を推進する活動の必要性を認めた.
  • 石丸 園子
    2006 年 47 巻 12 号 p. 772-784
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    RAS (Roken Arousal Scale) により評価される心理状態のうち, 「眠気, 全般的活性, リラックス, 緊張」の相互関係を, 多変量解析手法を用いて検討した.その結果, 「眠気⇔全般的活性」の因子と, 「リラックス⇔緊張」の因子が抽出された.さらに, 「眠気⇔全般的活性」の因子は, α波パワースペクトル積分値の閉眼/開眼比と同じ因子, 「リラックス⇔緊張」は, 心拍周波数と同じ因子とみなされる結果が得られ, 特定の心理状態を, 心電図, 脳波で関連付けて説明できることが示唆された.それらの位置関係を整理して図示した.
    さらに, 衣服による皮膚刺激のうち, 触刺激の違いが, 心理・生理反応に変化を及ぼすか検討を進めた.その結果, 表面摩擦係数が高く, 摩擦係数の平均偏差が小さく, かつ, 圧縮やわらかい布帛力学特性を示し, 「ふんわり, やわらかい」触感を付与できる衣服は, 心理・生理的に「リラックス」「全般的活性」の傾向を示すことを把握した.尚, 布帛力学特性―触感―心理状態―生理反応の対応関係を明らかにしたが, 生理反応については, 自律神経系と中枢神経系の両側面から心理状態を判断することが望ましいことが示唆された.
  • ―生活系学生の教育のための検討―
    植竹 桃子, 正地 里江
    2006 年 47 巻 12 号 p. 785-795
    発行日: 2006/12/25
    公開日: 2010/09/30
    ジャーナル フリー
    手部装着実験からでは認識できない, 実装着によるおむつの「つけ心地」を明確化し, 生活系学生の教育に「おむつの実装着実験」を取り入れることの検討を行った.実装着の実験条件は, おむつの種類 (紙おむつ, 布おむつ, 布おむつ+紙パッド) , 排尿の種類 (実排尿, 人工尿) , 被験者の姿勢 (椅座位, 仰臥位) の3条件とし, 被験者 (成人女子2名) は, 実装着90分の間に, 15分間隔で装着感, 精神状況等を自由記述した.
    その結果, 自由記述では多くの不快感が訴えられ, 手部装着では得られない項目として, 「おむつ装着・排尿の問題」として3項目, 「吸水・姿勢保持の問題」として2項目, 「装着持続の問題」として2項目, 「精神的問題」として5項目の, 計12項目が認められた.実験効果の高い条件は, 「実排尿」「仰臥位」で, 「おむつの種類」によって効果的な「精神的問題」は異なった.
    生活系の学生を対象とする教育では, 手部装着実験から始めて, 実装着実験は段階的選択制にする方法をとり, これらの指導は実装着実験を体験した教員が行う, という方法を提案した.
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