ボディ・イメージの測定には, いくつかの方法が使用されているが, 最も使用されているのはシルエット図によるものである。しかし, 従来の研究で使用されてきたシルエット図は, 客観性が無く, 基準となる点が存在しないため, 測定ツールとしては問題が多いと言わざるを得ない。
そこで, 客観的なデータに基づいた新たなシルエット図 (J-BSS-I) を作成した。 (社) 人間生活工学研究センターが所有する約3万4千人のデータを基とし, そこから一定の手続きでサンプルを抽出し, そのデータからコンピュータ・マネキンシステムである「quete」にてシルエット図を作成した。その後, そのシルエット図について, 従来のシルエット図との対比をしつつ, 自然さ, リアルさ, そして適切さについての評価をおこなった。大学生および専門学校生の計305名 (男性105名, 女性199名, 不明1名, 平均20.9歳, 標準偏差8.51) を対象とした調査の結果, 今回作成したシルエット図が従来のものに比し優れていることが確認された。最後に, 使用方法についての説明もおこなった。J-BSS-Iは, ボディ・イメージの測定に極めて有用であり, ボディ・イメージに関連する様々な研究に寄与すると考えられる。
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