振袖の着装イメージに関与する色彩要因を検討するために, 若い女性を被験者としてアンケート調査およびCGで作成した着装画像を用いてSD法による官能検査を行った.アンケートの結果, 嗜好色は, きものは黒や暖色系, 帯は金, 銀が多かった.また和服の審美的な着装評価に関与する要因としては, きものや帯の色柄が重要であり, 着装者のスタイル要因では, 顔が小さい, 身長が高い等以外にバストが小さい, ウエストが太い, ヒップが小さい等の和服特有の要因もあがった.
コーディネート要因については, ピンクのきものに銀の帯, 帯揚げ・帯締めに同系色を用いた振袖が好意的に評価され, 逆にアンケートで上位の黒のきものの評価は低かった.また, 因子分析の結果, 活動・力量性の因子には, きものの彩度が, 評価性の因子には, きものの色相の影響が認められた.全体的な着装イメージとしてはきものの色の影響が大きく, 次いで帯の色が関与し, 帯揚げ・帯締めの影響はほとんど認められなかった.
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