入力装置としてカラースキャナが測色に用いられた.カラースキャナから取り込まれた93種類のカラーカードのカラー画像のsRGB値と色差計によって測定されたXYZ値の間に重回帰分析が適用された.この結果, XYZ値がsRGB値から精度よく計算され, カラースキャナによる測色が, 多色の色彩変化の評価にかなり有効であることがわかった.そこで, この画像解析が色柄布の変退色を評価するのに適用された.画像中の各画素のL
*, a
*およびb
*がCIELABの公式を用いて計算され, L
*, a
*およびb
*の全画素の平均値がそれぞれAVE-L
*, AVE-a
*およびAVE-b
*として得られた.単一色に対して, 分光光度計によって測定されたL
*, a
*およびb
*と画像解析から求められたAVE-L
*, AVE-a
*およびAVE-b
*との間にはよい対応関係がみられた.多色系色柄布の変退色の定量的評価に対する画像解析の実行可能性と有用性について検討された.
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