繊維製品消費科学
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50 巻, 2 号
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時辞刻告
解説
シリーズ「人工皮革・合成皮革」
シリーズ「アパレルの品質苦情に学ぶ」
シリーズ「ウェアラブルコンピューティングの現在・未来」
解説
交さ点
報文
  • 薛 媛, 今岡 春樹
    2009 年 50 巻 2 号 p. 141-153
    発行日: 2009/02/20
    公開日: 2016/04/26
    ジャーナル オープンアクセス
     本研究では,日本人と中国人学生に対して色彩心理的傾向に関する調査が行われた.45色が選択枝として示され,43個の質問が行われた.グループ間の比較のために,ヒストグラムインターセクション法が用いられた.中国男女間 (C-FM),日本男女間 (J-FM),女性日中間 (F-JC),男性日中間 (M-JC)の四つグループ間の値が得られた.それらの値によって,色彩心理的傾向の性別差異と国別差異を分析することができた.43個の質問に対するそれらの値に基づいて,グループ間の差異が検討された.平均値の差の検定や相関分析により四つグループ間の差異の順番はC-FM << J-FM < F-JC < M-JCであることが分かった.
  • デザイン評価用イメージ用語の抽出と3次元人体モデルの着装シミュレーションによる衣服デザインの評価
    増田 智恵, 村上 かおり, 平林 由果, 永野 光朗
    2009 年 50 巻 2 号 p. 154-164
    発行日: 2009/02/20
    公開日: 2016/04/26
    ジャーナル オープンアクセス
     高齢社会を迎えて幅広い年齢の成人女子に適したITを利用した衣服購入用の情報を抽出したい.そのため,これまでに成人女子の3次元体形のイメージを分類し,衣服選択時の3次元モデルの体形イメージをサイズを用いて予測できるようにした.本報では,この3次元体形のイメージ別でサイズの異なる,20代,40代,70代の日本人成人女子の平均的3次元人体モデルを着衣基体として,仮想的に試着した3次元着装シミュレーションを構築した.今後のネット社会で,3次元着装シミュレーションによる消費者の婦人服購入選択支援情報を抽出するため,デザイン選択用のイメージ用語を分類し,そのデザインイメージ用語に対応した服のデザイン要素の特徴と体形も含む着装などの情報を抽出した.
     1. 136の婦人ファッション雑誌(2000~2004年)から1075を収集して136用語にまとめ,20代後半から70代の成人女子の評価者457名(平均年齢=45.77歳)にイメージ分類を依頼した.クラスタ分析により,A1. レディ・フェミニン,A2. シャープ・モダン,A3. カジュアル,A4. ベイシック・レトロ,A5. エレガント・シックの5つの基本デザインイメージ評価用語を設定した.
     2. 5つの基本イメージ評価用語に対応したデザイン服20種類(20代後半から60代の成人女子10名により選定)について,3体の3次元モデルに同じデザインでサイズ別のパターンを作成し,合計60着の3次元着装シミュレーションを回転表示して,イメージ用語によるデザイン評価とその評価要素および衣服観等について主に5段階評価による調査を行った.
     評価者は学生以外の20代~70代の成人女子127名(平均年齢=45.88歳)で,年代に関係なく衣服選択時に最重要視するのは,適合性と体形であった.60代と70代の評価者は,ライフスタイル,素材,年齢,快適性について,他の年代よりやや重視する傾向を示した.
     60着について5つの基本イメージ評価を行った結果,体形別による有意な差はなかった.主成分分析により,第1主成分PC1 : レディ・フェミニン系&エレガント系-カジュアル系,第2主成分PC2 : スタンダード&レトロ系-シャープ&モダン系が抽出された.
  • 3次元人体モデルの着装シミュレーションによるデザイン分類と予測
    増田 智恵, 村上 かおり, 平林 由果, 永野 光朗
    2009 年 50 巻 2 号 p. 165-174
    発行日: 2009/02/20
    公開日: 2016/04/26
    ジャーナル オープンアクセス
     幅広い年齢の成人女子に適したITを利用した衣服購入用の情報を抽出するため,3次元人体形状イメージ分類を行い,体形イメージおよびサイズの異なる日本人成人女子のほぼ3世代(20-40-70代)の平均的3次元人体モデルを着衣基体として設定した.幅広い年齢の成人女子が評価可能なデザインイメージ評価用語を抽出し,それによる3次元着装シミュレーションによる実際のデザインイメージ評価を一連の研究として試みた.本報では実際の衣服選択のためのデザインイメージの分類と各イメージの特徴を示すデザイン要素,衣生活スタイル,印象などを抽出し,さらに具体的な服のデザイン要素からデザインイメージを予測した.高齢社会での消費者のためのネットなどを利用した衣服選択支援情報の抽出につながる情報が得られた.
     1. 3世代の平均的3次元人体モデルによる20種類の合計60のデザイン服のイメージをクラスタ分類した結果,前報で抽出した2つの主成分に対応したA1. レディ・フェミニン・A5. エレガント,A3. カジュアル,A4. スタンダード・レトロ,A2. シャープ・モダンの4つのイメージに分類された.サイズの異なる年代別でのデザイン服による大差はなく,同じデザイン服は同じ分類のイメージになった.
     2. 4つのイメージのデザイン要素,衣生活スタイル,印象などの主な特徴は次のようであった.A1&A5イメージ : スカートスーツやブラウススタイルなど,派手な色や無彩色の薄い素材の上衣でフット性の高い下衣など,背が高く体形カバーのあるデザインで,年上,異性,同年代の印象が良く,フォーマルおよびショッピング用の衣服傾向―A3イメージ : 上衣と下衣の組み合わせでキュロットやパンツにTシャツスタイルなど,柄物で柔らかい上衣,派手な色の下衣,若い年代や同性の印象が良く,家庭着で家族で利用可能な衣服傾向,A4イメージ : スカートスタイルに,柄のある袖やえり付きの上衣に派手な色の薄い素材でフット性のあるデザインの下衣など,家庭着でもフォーマルまた家族での利用も可能な汎用性のある衣服傾向一A2イメージ : パンツスーツやジャケットスタイルなど,明るく濃い色の上衣で,下衣は濃い色のミニ丈のものなど,細い体形に見えるデザインで若い年代での印象が良く,ショッピング用衣服傾向,であった.
     3. 4つのイメージを具体的なデザイン要素を用いて,2つの式 {Y3(R=0.98) : A1&A5-A3, Y4(R=0.96) : A4-A2} から精度良く予測可能とした.予測精度の高いデザイン要素でまとめると,A1&A5は主にフット性の高い下衣,派手な上衣,スカートスーツのデザインからY3の予測値が大きく,逆のイメージのA3は主に鮮やかな色の下衣,柄物やTシャツの上衣で,上衣と下衣の組み合わせなどのデザインからY3の予測値が小さく予測可能であった.A4は主に袖のある上衣と下衣はスカートのデザインからY4の予測値が大きく,逆のイメージのA2は鮮やかな色,濃い色でフット性が高い下衣に対して,同じ濃い色,明るい色,無彩色でえりのあるミニ丈の上衣などで,パンツスーツなどのデザインでY4の予測値が小さく予測可能であった.
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