本研究では,反転,回転,領域反転対称性を持つ三色ランダムパターンとそのランダムパターン衣服を着装した三次元マネキンを作成し,中国人学生と日本人学生に対して配色嗜好を調査した.5段階のリッカート尺度法による調査を行った.国籍,性別,年齢による12種類の三次元マネキンに,19種類のランダムパターンのセミフォーマルスーツを着装した刺激図を作成した.刺激図はプロジェクターによって呈示され,102名の中国人学生及び153名の日本人学生から回答を得た.配色嗜好と国籍,性別,年齢の関係を,SPSSによる探索的因子分析法,Amos(Analysis of Moment Structure)による複数グループ同時因子分析法を用いて分析した.その結果,配色嗜好はマネキンに対して,性別差異はほとんどないが,国籍差異と年齢差異が存在することが分かった.