スポーツウェアの開発競争は,通気性,ドライタッチ,軽量化,立体裁断などをキーワードとし,デザインや機能性に最新の技術を取り入れ,多種の競技に及んでいる.本研究では,競技を,2004年の種目別スポーツ人口に関する統計資料1)において10代での実施率が第1位,29.0%であった,サッカーに絞って検討した.サッカーに特化した機能性を持つインナーウェアが少ない現状に着目し,サッカーウェア全般に求められる機能性を,着用する選手の側からの視点で整理することを目的とした.大学サッカーリーグに所属する,6大学の体育会系のサッカー部の部員で,アンケートを依頼し,サッカーウェアの使用実態調査を行なった.有効回答総数は,445名であった.
サッカー専用のインナーが必要との割合は,全体の約82%に上り,選手側から強い要望があった.ゲームシャツ,ゲームパンツ,インナーパンツに求める機能性として最も回答率が高いのは動きやすさであった.また,インナーに求める動的機能性として最も要求度が高いのはフィット性であった.続いて,軽量,ストレッチ,関節サポート,圧縮,衝撃吸収の順であった.