繊維製品消費科学
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52 巻, 5 号
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時辞刻告
解説
シリーズ「機能性スポーツアンダーウエア・インナーウエア」
シリーズ「透湿防水衣料,アウトドアウエアの現状」
報文
  • 増田 智恵, 村上 かおり, 金 星児
    2011 年 52 巻 5 号 p. 298-310
    発行日: 2011/05/20
    公開日: 2016/12/03
    ジャーナル オープンアクセス

    近隣の体形も近い国の消費者も含めた今後のファッションネット社会で,エコ的にも考慮した合理的で且つ個々にも対応した3次元ファッション・ファクトリ・ブテックシステムを構想している.そこで本研究では韓国成人女子を対象に,ITを利用したエコ効果的な仮想衣服の選択を用いた消費者ファッションの意識と選択のデータ情報を行い,その関係を明らかにしようとした.
    ファッション意識について,日本の20代,40代,70代の平均的サイズの各3次元人体に,同じデザインの衣服を仮想的3次元着装によるシミュレーション化を行い,その回転表示によるデザインイメージや衣服観等などの評価を用いて検討した.さらにその結果を,既報の日本の20代後半から70代の成人女子による同じ評価方法による結果と比較した.
    60着の3次元着装シミュレーションによるデザイン服(20デザイン服×年代別3次元モデル3体)のイメージを,20代~30代の51人の韓国女性により,5つのデザインキーワード(A1-A5)を用いて5段階評価した.さらにその重要なデザイン要素や他の構成要素の特徴を確認することによって,デザインキーワードの特徴が明確になった.
    5つのデザインイメージによる主成分分析の結果,2つの主成分(PCl:(A1.レディ・フェミニン系&A5.エレガント系-A3.カジュアル系,PC2:A2.シャープ&モダン系-A4.Sスタンダード&レトロ系)が抽出された.各主成分得点を用いてクラスタ分析をした結果,60着のデザイン服が4つのイメージのクラスタに分類され,各クラスタイメージ別のデザイン要素と他の構成要素の特徴と同時に,2つのクラスタイメージ共通のデザイン要素と他の構成要素があることが捉えられた.
    日本と韓国の成人女子は類似した衣服のデザインイメージ等を共有した.しかし,韓国の成人女子の方がA1&A5とA3イメージの服の間の服種,形,柄の有無の違いに関してよりはっきりした評価をし,A2とA4イメージの服はその着用状況/設定や着用回数に関してより明確な区別をしていた.

  • -スポット汚れの大きさによる評価の差異-
    鷲津 かの子, 石原 久代
    2011 年 52 巻 5 号 p. 311-316
    発行日: 2011/05/20
    公開日: 2016/12/03
    ジャーナル オープンアクセス

    衣服の廃棄の原因として最も多いスポット汚れを取り上げ,第1報では実際の汚れと布地の色彩要因と汚れの目立ち感との関係を検討した.その結果,明度が高い青系の布地の汚れが目立ちやすいという結果を得た.
    本報では,幅広い色と大きさの汚れモデルを作成し,それらの要因が目立ち感に与える影響を調べた.
    実験は,赤,青,白,グレー,黒の布地に,赤・黄・緑・青・黒の5色のアクリルカラーを5段階の大きさで付着させたテキスタイルチャートを用いて,汚れの目立ち感を7段階で評価させた.また,それらの汚れが廃棄に繋がるかについても,併せて調査を行った.
    得られたデータを用いて数量化I類を行った結果,汚れの目立ちには汚れの大きさと色が影響を与えており,汚れの色では黒が目立ちにくいという結果が得られた.また,廃棄との関連については,汚れの色では赤や緑の場合に廃棄される割合が高く,黒の場合には廃棄されにくいことが明らかになった.

  • 森 俊夫, 遠藤 善道, 小見山 二郎
    2011 年 52 巻 5 号 p. 317-322
    発行日: 2011/05/20
    公開日: 2016/12/03
    ジャーナル オープンアクセス

    安価な装置として市販のカラースキャナを用いて,簡便,迅速,微細な測色を行った.色彩画像解析を50種類の単一色布の測色に適用した.sRGBからCIEカラーシステムのXYZへの変換にγ-補正を適用し,単一色布の画像内の各画素(i,j)に対して,CIELABの公式を用いてCIEL*,a*,b*,C* およびhを求めた.すべての画素に対するX,Y,Z,L*,a*,b*,C* およびh の値を分光色差計で測定された値と比較するために,それぞれAVE-X,AVE-Y,AVE-Z,AVE-L*,AVE-C* およびAVE-hとして平均化した.カラースキャナで測定された値と分光色差計で測定された値は非常によく一致した.このことはカラースキャナで測定された値が十分正確であり,カラースキャナで多色画像の各画素を約0.35mm間隔で簡便,迅速,微細に測定できることがわかった.この応用として,カラースキャナを用いた測色を多色の色柄布に適用した.グレープおよびオレンジジュースで果汁汚染された色柄布の洗浄性をAVE-L*,AVE-C* およびAVE-hの色彩情報量から評価できることがわかった.

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