不要になった故繊維を再利用し,製品化する方法として,色分別した故繊維を強化材とするプラスチック製品を作ることが考えられる.そこで本報では,故繊維を利用したプラスチック製品を作る際の押出成形において,故繊維の含有率と成形温度が成形品の表面色に及ぼす影響を考察し,色を活用した製品化の可能性について検討した.ここでは綿とポリプロピレンをそれぞれ強化材,マトリックスとして使用した.その結果,故繊維を利用したプラスチック材料の表面色は故繊維の色相とは大きくは違わないこと,さらに成形品の明度は強化材としての故繊維の含有率が増すとともに故繊維の明度に近づくことが明らかになった.本研究で,成形品の表面色の明度と使用した故繊維の明度には明確な関係性があることが示されたことにより,故繊維の色から成形品の表面色を予測でき,故繊維を色分別して活用した製品化の可能性が示された.