本研究は,布地の色・柄が布地のイメージおよび年齢適合感にどのように関与するかを解明するものである. 実験の試料は,柄の大きさを2 段階に変えた赤,黄,青,黒の4 色の縞柄と水玉,無地の計50 種の綿ブロードを用いた.実験は 50 種類の布地をランダムに1 種ずつ提示し,10 形容詞対を用いたSD 法の官能検査を行い,さらにどの年齢に適しているかも回答させた.実験参加者は100 名であった.その結果,多くのイメージで赤および青の高彩度,高明度の色彩が高い値を示した.また,因子分析の結果,活動・力量,評価性,あたたかさの3 因子が抽出され,各因子には明度,彩度,色相が大きく関連している.数量化Ⅰ類で分析した結果,偏相関係数から柄より色彩が大きく影響することが判明した.さらに,若い年齢に合うのは,高彩度の赤の縞や黄の水玉であり,逆に,年齢の高い人に合うのは,低明度の赤や黄,青であった.