夏用肌着においては, むし暑さ等の着用感に対する要求度が極めて高い.そこで我々は夏用肌着について, 着用感を中心とし, 最も合理的な機能を有すると考えられる肌着を開発するため, 一連の研究を実施中であるが, 本報では各種市販夏用男物肌着の実用性能を把握するため, メリヤス肌着について合繊混紡, 編成組織の影響, クレープ肌着の評価, メリヤスとクレープの比較を目的として当所男子従業員を対象とし, 7月上旬~10月下旬にかけて3カ月間にわたる着用試験を行った結果について報告する.
各種夏用肌着の着用試験を実施し, 着用感に関して次の結果が得られた.
(1) 合繊混紡夏用メリヤス肌着の着用感は, 純綿に比較して優れているとは言えないまでも, 明らかに劣るという程でもないので, 30%程度の合繊の混紡は, 着用感を極端に低下させることはない.
(2) 夏用メリヤス肌着の着用感は, 編成組織により大きく影響され, 今回検討した組織では次の順となる.
(優) テレコ>フライス>スムース (劣)
(3) クレープ肌着は, 酷暑期においてむし暑さ等の着用感に関し, メリヤス肌着より優れているが, 暑さがそれ程びどくない季節においては, メリヤス肌着の方がクレープ肌着より着用感が良好である.
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