織物の官能量としては触覚と視覚によるものが主なものである.たとえば, 前者によるものには柔かさ, なめらかさ, 手ざわりなどがあり, 後者によるものには光沢, 色沢, 柄などが考えられる.
本報では, ブロード生地程度の厚さの布地につき, 触感官能量 (柔かさ, なあらかさ, 腰など) と物理量 (曲げ長さ, 曲げ剛さ, 防しわ度など) との関係を多因子分析法を応用して求めてみた.
その結果, 因子分析法により官能量と物理量との間の類似性を, ある程度見つけだし得ることがわかった.また, ブロード生地程度の厚さの布地では, 主観的な硬さや腰の判定は物理的には曲げかたさに影響され, 圧縮性にはあまり影響されない結果となった.
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