成人女性の人体各部位の表面圧縮変形量と皮下脂肪厚を測定し,両者の関係を年齢別に分析した.被験者は成人女性20 名(若年群10 名(21~24 歳),中年群10 名(49~63 歳)である.被験者の左半身89 か所の人体表面圧縮変形量と皮下脂肪厚を測定した. その結果,圧縮変形量は,乳頭部,前面胸部下から腹部,前後腋窩部,臀部,上腕後面,大腿部内側で大きい値を示した.これらの部位において,中年群は若年群よりさらに大きい値を示した.皮下脂肪厚も圧縮変形量とほぼ同様の傾向を示したが,特に中年群の腹部が顕著に増加した.若年群も中年群も,圧縮変形量と皮下脂肪厚間には有意な相関関係がみられたが,中年群はバラつきが大きく,同じ皮下脂肪厚であれば,中年群の圧縮変形量が有意に大きくなることがわかった.
1998 年から2018 年までの偶数年11 年分の成人女子の消費者意識(生活価値観,消費,衣食住)に関する計61 項目の肯定率データ(博報堂生活総合研究所による)に主成分分析を適用した結果, 衣に関する消費者意識を3 主成分に集約した.第1 主成分(寄与率35.4%)は若い年齢程高い,年齢差を表す主成分であり,時代差はほとんど認められなかった.第2 主成分(寄与率24.6%)はこだわり意識の強弱を表す主成分で,20 年間,全年齢層で漸減する時代差を表す主成分であり,所謂スローライフからファストライフへの移行を示していた.第3 主成分(寄与率11.9%)はブランド品の良さを評価し,ディスカウントショップでも良いから買いたいと思い,品数が揃っている実店舗までわざわざ買いに行くという意識を表す主成分であった.1998 年には若い年齢層で顕著であったこのバブル期のファッション意識は2008 年頃までに終焉を迎えた.